拉致問題

小泉さんの北朝鮮訪問に対して、拉致被害者の家族の方たちから強い批判が出ていますが、少しでも前進があったので、僕は良かったのではないかと思います。

しかし気になることもあります。

ジェンキンス氏に小泉首相は、「日本に帰ろう。日本に身柄がある以上、アメリカは、どうしようもないんだ」と言ったそうですが、アメリカによるジェンキンス氏の引き渡し要求を、徹底的に拒否する覚悟があってのことなのでしょうか。

そうであるならとても立派だと思いますが、とても信じられないのです。

また、金正日総書記は、「決着した拉致問題を日本側が再び蒸し返した」と小泉さんを問い詰めたようですが、決着したのが事実なら、やはり外交は表に出ない部分が多いなと思いました。

小泉首相金正日総書記の発言は、本日の朝日新聞船橋洋一氏のコラムより。)

そもそも拉致問題が行き詰った原因は、拉致被害者の一時帰国の約束を日本が守らなかったためなのではと思います。

たとえ相手が非道な犯罪者であれ、約束を守らなければ自分も相手の立場におとしめてしまうでしょう。

政治家の方は、もし北朝鮮に返したら、戻ってこなくなったときの責任を取れないと考えたのかもしれません。

神話か何か忘れましたが、妻か娘かを取り戻して帰るときに、「ある場所に着くまでは、後ろからついていく妻(娘)を絶対に振り向いて見てははいけない。」と約束をしたのに、まだ見ぬ妻(娘)が見たくなり、到着直前にもう大丈夫だろうと振り向き、結局連れ戻すことに失敗したと言う話を思い出します。

今回の件同様、詰めが甘いと言うか、我慢ができないと言うことでしょう。

しかしこのことについて、ほんの数時間でも北朝鮮に返すべきだと、明確に言われた著名な方は、僕の知る限り大宅映子さんと船井幸雄さんしか知りません。

なぜかマスコミも取り上げずに、不思議に思います。